最近、良く考える現在の音楽制作と以前(約20年前)の音楽制作との違いを話したいと思います。現在の音楽制作は皆様ご存知の通りDTM(デスクトップミュージック)、 いわゆるDAW(デジタルオーディオワークステーション)が主流です。

 

しかし20年前はまだ業務用スタジオにProtoolsの導入が始まって間もない頃でした。

1995年頃に日本のレコーディングスタジオでは導入が始まリ出したと自分では記憶しております。

当時MIDIで打ち込んだ音源をオーディオファイルに変換出来ないPerfomerが主流でした。あとVisionもありましたね。

今はCubase,Studio One,Logic X,Protools,FL Studio,Digital Performer等数多くの優秀な音楽制作ソフトがありますね。当時はMIDIデータをPerformerで制作し、ハードウェアの音源でMIDIノートの発音を行い24、32、48トラックのアナログコンソールやSSL、Neveのデジタルコンソールに流し録音を行いました。スタジオ内にはレコーディングディレクター、アレンジャー、マニュピレイター(主にMIDIの打ち込み、アレンジャーが要求する音を作成する作業を行うオペレーター)エンジニア、アシスタントエンジニア、生楽器が必要な時はスタジオミュージャンが必ずいました。(オケ制作時)

 

僕が音楽原盤制作会社に在籍して時は譜面が読める、コード譜が読める事は必須でした。制作に関わるスタッフ全員が楽曲が解るようにマスターリズム譜を作成しました。ボーカルがあればメロ譜も作成しました。

エンジニアはトラックシートを作成し、どこのトラックに何の音があるか把握出来るように作成していました。

 

この様な制作スタイルが20年程前までは主流でした。そして、原盤制作会社も今の様に数多く無く、恐らく口頭でも社名を言えるくらいの数だったと思います。原盤制作会社は少なく、現代の様に自宅にスタジオを作り、楽曲を制作出来る時代では無かったので音楽制作の発注もかなり多くありました。

要は音楽制作の発注先が現在と比べると少なかったのです。しかしECサイトで楽曲を販売を行ったり、ストリーミングサービスのない時代でした。いわゆるCDの時代です。

 

今は楽曲を聴くのはストリーミング、イベント音源はECサイトで著作権フリーの素材を買い使用するというのが主流です。アーティストへの楽曲制作やCM音楽は制作の形態が変わっただけで、今後も無くならないと思います。

しかし、最近AIでの自動作曲、編曲、ミックス、マスタリングソフトも出てきました。楽曲を聴いて頂いたり、商品として採用して頂くのはクライアントなので、AIの自動作曲、編曲、ミックス、マスタリングした楽曲が採用になると、自分で作曲編曲を考えて、ミックス、マスタリングをするという必要性も無くなります。

プロ(音楽制作で生計を立てる。)で音楽制作を行う事は非常に難しい時代に投入しました。もうすでに突入していますが。。。

 

そう考えると音楽制作業界で需要が出てくるのは、DTMやDAWをこれから始めようとする方に向けてのDTM、DAWレッスン講座、DAWソフト関連、エフェクト関連の教則本の作成、ECサイトでの薄利多売での楽曲販売、ストリーミングサービスによる印税収入が主流になります。

薄利多売というと聞き心地は良くありませんが世界中で販売出来るという大きなメリットがあります。またSNSで世界中に宣伝も出来ます

 

ECサイトでは楽曲購入数が多ければかなりの利益になります。(ex.1曲500円×1千ダウンドーロ=50万円になります。(流通を挟まないで100%自己利益の場合))またはアーティスト志向にはなりますがストリーミングサービスでの印税収入も楽曲再生数でかなりの利益になります。

(ex.1曲0.7円×100曲×1万回再生=70万円になります。)実際にストリーミングの印税収入で生計を立てている知り合いもいます。また、楽曲のコンペに曲を出して採用される事もその後の音楽制作の発注に繋げる方法だと思います。

 

音楽制作の需要が減って来ている中で供給する側(音楽制作者側)は増えて来ています。これからプロとして音楽制作で行っていく事は益々厳しくなりますが、楽曲のクオリティーは勿論ですがどの販売ツールを軸にするかが一番重要だと僕は思います。

 

僕は多くのエンジニアの方のミックス、マスタリングの作業を見たり、『これは凄い!どうやっているのだろう?』と解らない事は聞いたりして色々学ばせて頂ましたが、エンジニアではありませんでした。

今はミックス、マスタリングは自分で行なっています。ここで思うことはエンジニアの作業が今後とても重要になってくるという事です。

初心者の方はエフェクト関連はまずイコライザー、コンプレッサー、リミッターの役割、定義(何故必要なのか、使用するのか)、操作方法を覚える事が賢明だと僕は思います。その他にも沢山のエフェクトはありますがまずこの3つのエフェクトを覚える事が大切だと思います。

 

最後に、、、何故、今日はこの様なブログを書いているかというと『音楽制作の需要が無くなったので音楽制作を辞めます。』という方をTwitterで見たからです。 全く面識の無い方ですが、同じ音楽制作者としてとても寂しい気持ちになりました。。。

しかしこれは現代の社会で、音楽制作における現実でもあります。これからプロを目指す方、今は曲を発信するコンテンツがいくらでもあります。しかし、音楽制作会社も増え、個人で音楽制作を出来る環境にもなったことで発信している曲数は非常に増えました。自分でプロモーション戦略をしっかり立てて頑張って下さい!!

僕に出来る事があれば応援、サポート、アドバイスさせて頂きます。需要のあるところに供給があります。もしくは需要を作る事(企画・提案)を作る事も出来ます。

 

僕も今のクライアントを大切にして新規営業して頑張ります!WEBからのお問い合わせもお待ちいたしております。

みんなで頑張りましょう!!